SDG活動への評価をクチコミで確認〜TrustYouの分析カテゴリー「持続可能性」、「ウェルネス」について〜

世界的にサスティナビリティ(持続可能性)やSDGs(持続可能な開発目標)といった未来の社会や環境に配慮した人々の行動や経済活動が重要となってきています。先進国を中心にこれまでのような物質消費社会ではなく、人類全体の未来を考え、より豊かな人生や社会を目指すための意識が高まっています。ホスピタリティ業界でも少しずつSDGsの取り組みが始まっていますが、TrustYouでもこの世界的なトレンドに着目しており、収集、分析したクチコミから「持続可能性」や「ウェルネス」に関するものを特定し、カテゴリー化しています。

持続可能性

このカテゴリーに関するクチコミには右記の例のように「地元産」、「環境に優しい」、「EV車」、「オーガニック」といったキーワードを含むクチコミが肯定的と分析されます。逆にプラスチック製品をはじめとする化学製品について批判的なクチコミと分析される傾向があります。

また、ソーラーパネルや持続可能な建材など再生可能エネルギーによるエネルギー効率を優先したホテルやリサイクルプログラムなど廃棄物の削減に向けた仕組みもクチコミで好意的に評価されています。

Review Sample Sdgs
持続可能性に関するクチコミの例

さらに、清掃にバイオマススポンジや植物由来の洗剤を使用したり、水使用量の削減をするなど、環境に配慮した清掃をしているホテルも高く評価される傾向があります。

レストランのメニューなどで地元の食材を利用し、地産地消の取り組みが進められていたり、アメニティの脱プラスチック・再生プラスチックの利用を進められているホテルも増えており、SDGsへの取り組みがさらに進むことが予想されます。

このようなSDGsへの取り組みは、環境に配慮する旅行者にとってより楽しく気持ちの良い滞在体験につながります。旅行者は滞在を楽しみながらもサスティナビリティに取り組む宿泊施設から良い影響を受けたり、SDGsについての学びの機会にもなったりします。そのように考えると、ホスピタリティ業界がSDGsの取り組みについて発信する責任を一部担っているともいえます。

ウェルネス

SDGsの第3の目標に掲げられている「すべての人に健康と福祉を」に当てはまるウェルネスですが、Global Well-ness Institute(世界中のウェルネスを強化することを使命とする非営利団体)によると、ウェルネスの定義は「全人的な健康状態をもたらす活動、選択、ライフスタイルを積極的に追求することである」となっています。

電通は2007年から毎年ウェルネスについての意識調査「ウェルネス1万人調査」を日本国内で行なっています。その調査結果によると、コロナ禍を経て「ウェルビーイング」(精神的・身体的・社会的に健康で幸福であること)という言葉の認知度が高まり、2023年では認知率が25.4%にまで達しました。

Dentsu Wellbing Research
電通 第17回ウェルネス1万人調査

また、日本で今年5月に「国際ウェルネス ツーリズム EXPO」という展示会が初開催されました。この展示会には心と体を健康にする旅“ウェルネスツーリズム”に関わる施設・アクティビティ・ヘルシー食・地域が出展しました。ウェルネスツーリズムは、スパ、ヨガ、瞑想、フィットネス、ヘルシー食、レクリエーション、交流など「ウェルネス=豊かな人生へのアクション」を提供する旅行のことです。コロナ禍を経て、人々の観光スタイルも変化しており、自然の中で新しい体験をしたり、スパでリフレッシュしたりと心と身体の健康を感じるための観光が世界的なトレンドとなっています。また、経済産業省によると、日本のウェルネス分野の市場規模は約10兆円と推計されていることから、様々な業種で注目をされています。

宿泊施設にとっては、睡眠の質、食事、スパや温泉などの施設、館内アクティビティやオプショナルツアー(エクスカージョン)などが主に関連する要素かと思われますが、まだ気づいていないコンテンツが眠っている可能性があります。現在、宿泊施設として高野山の宿坊が注目を集めています。富裕層向けにスイートルームを設ける宿坊もあり、写経や瞑想プログラム、お寺のナイトツアー、精進料理といった宿坊での宿泊体験が一つの高付加価値コンテンツとして海外の富裕層を惹きつけています。

IHGやハイアットなどのグローバルホテルチェーンもウェルネスに特化したホテルブランドを立ち上げており、アコーホテルズでは今年1月に「ウェルビーイング文化への変革の道筋」と題した報告書を発表し、啓蒙活動をしています。今後は日本のホスピタリティ業界でも「おもてなし」 プラス「お客様のウェルビーイングへの配慮」が求められるようになることが予想されます。それと同時に、サービスを提供する従業員のウェルビーイングも重要視される時代となるはずです。このように変化するお客様の価値観をお客様の声を聞くことでいち早くキャッチし、価値観コントロールに取り組むことがクチコミ管理においては重要です。

TrustYouでの「持続可能性」「ウェルネス」に関するクチコミの確認方法

TrustYouのクチコミ分析ツールでは、「客室」、「サービス」、「料理」といったクチコミカテゴリーと共に「持続可能性」、「ウェルネス」に関するクチコミをダッシュボード上のセンチメントタイルをクリックし、確認することが可能です。

Sentiment Sustainable
TrustYouのクチコミ分析ダッシュボード

センチメントスコアは、クチコミ本文をカテゴリー毎に言語・感情分析した結果を、肯定的なコメント数の比率です。TustYouではクチコミの原文を分析し、150以上のカテゴリーに自動的に振り分けています。(カテゴリーに関するクチコミが確認できない場合は、カテゴリー自体が表示されません。)

人々がメンタルや身体の健康を重視するようになり、医療ツーリズム、アウトドア、マインドフルネス、健康食など、心と身体のリフレッシュや健康を目的とした旅や宿泊体験を求める消費者が増える可能性があります。宿泊施設も料金を上げつつ顧客満足度を高めるためには宿泊に付加価値をつけていかなくてはなりません。今回ご紹介した「ウェルネス」、「持続可能性」というテーマは、宿泊に付加価値を与えるためのコンテンツとなるかもしれません。

TrustYouのクチコミ分析ツールについてさらに詳しくお知りになりたい方は、こちらからお問合せください。

Akira Takatsu

Akira is a Marketing Manager at TrustYou K.K. who handles PR and Marketing activities in TrustYou Japan. Over the past decade, he has used his expertise to contribute to the travel & hospitality industry.

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