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収益の鍵となる、レピュテーションと適正価格について

世界的な新型コロナウィルス(Covid-19)の影響は、ホスピタリティ業界にこれまでにはなかった課題を与え続けています。ホテル経営者様におかれましては、新型コロナウィルスが収束し、需要が回復するまでの間、変化に対する様々な対応を余儀なくされていることと思います。

現在、ホテル・旅館の経営者は、予測不可能な環境の変化に対して、迅速な判断と対応をすることが求められており、それを可能とするための新たな方法やテクノロジーも必要となってきています。

貴施設では競合施設のモニタリングされていますでしょうか。恐らく、競合他社も同じく市場のシェアを獲得したいと考えており、新たな方法を模索していることでしょう。そのような競合を知るためには競合分析が必要で、価格戦略以外の側面である、お客様の期待値や顧客満足度といった情報の収集も必要です。自社だけでなく、競合分析をすることで、自社のサービスや商品の料金をいくらで設定すれば、どのくらい売れるか予想を立てることができます。

コロナ禍であっても、企業、会社として、市場シェアを拡大し、様々なセグメントのお客様を施設に惹きつけ、お客様のリピートを促すような体験を提供することが大切です。顧客満足度は、「お客様が期待されているサービスや商品」に対して提供される「実際のサービスや商品の質」で決まります。お客様が期待されている体験と実際に提供される体験が一致し、さらにその価格がお客さまの意向に沿っていれば、“その価格は適正である”と判断されます。

基本的なことではありますが、このようにお客様に適正価格でサービスや商品を提供できていれば、広告を打たなくとも、自社の評判(レピュテーション)を高めることが可能となるでしょう。

Pricing Graph 1
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適正価格の把握

過去に発表された調査結果では、実際にお客様のリピートに貢献している5つの重要な要素が特定されています。それは、「客室のクオリティ」「サービスのクオリティ」「清潔さ」「ブランドイメージ」、そして最も興味深いのが「適正価格」です。適正価格(価格の適正さ)は、他の要因で補うことができません。例えば、客室やサービスのクオリティがどれほど優れていても、支払った価格が適正でないと判断された時点で、お客様はリピーターにならないでしょう。

価格とは、提供するサービスの品質が、そのサービスに対して支払う対価がその他の同サービスと比較した上で、”見合っている”と消費者が判断した際に正当とされます。これをホテルの世界に置き換えると、次の3つの要素に注目する必要があります。

– 自施設の質(客観的に見たもの)

– オンライン上のクチコミ評価(お客様の満足度をダイレクトに示すものとして)

– 競合他社の料金と質(クチコミ評価を含む客観的に見たもの)

上記の要素をデータとして指標化し、マーケットにある代替品(他の選択肢となる宿泊施設) を考慮した上で、お客様が提供する品質に対してどの価格であれば対価を支払ってくださるかを特定することができれば、適正価格を提供することができます。つまり、お客様が期待する品質と支払う価格を一致させることができ、お客様が設定した価格を適正だと感じる確率を最大化することができます。

Beonprice Hotel Quality Index (HQI™)は、この情報をアルゴリズムに含め、他の多くの要素と合わせて需要を予測し、価格戦略を推奨することができます。

素晴らしい体験を提供し、効果的なコミュニケーションを図る

価格が適正となるかどうかは、お客様の滞在体験の質と大きく関係しています。旅行の場合、お客様は、実際の商品ではなく体験に対しする対価を払っているのため、自身のホテル滞在体験全体と料金とを比較して判断します。

お客様が満足されるゲストエクスペリエンスの提供やオープンで誠実なコミュニケーション戦略は、新型コロナウィルス発生前から重要視されていましたが、現在はさらに重要になってきています。ホテル経営者様におかれましては、自施設やサービスが良いものであるだけでなく、安全であることを保証する必要があります。ウィズ/アフターコロナ時代の旅行者は旅行中に多くの懸念事項や不安を抱えており、お客様からの信頼感は予約を促進し、ゲストの体験を向上させる重要な要素となっています。徹底した清潔さと安全対策に加え、お客様とのリアルタイムかつ明確なコミュニケーションが、安全性と安心感を確保し、より多くの収益を生み出す可能性を秘めているのです。

ホテルのスタッフが常に質問に答え、懸念事項に対処し、その場で問題を解決できるようにすることで、お客様の滞在体験を向上させると同時に、コミュニケーションを安全かつ非接触に保つことができます。

効果的なレピュテーション管理を行い、お客様のフィードバックから学ぶ

ゲストから届く声を分析することで、さまざまな可能性への扉が開かれます。時間をかけてゲストの声に耳を傾けているホテル経営者は、自分のホテルで何がうまくいって何がうまくいかないのか、また旅行者の行動や期待の絶え間ない変化を明確に把握し、理解することができます。お客様から届く感想やコメント(フィードバック)は、自施設の状況を理解するための最高の資料であり、スマートな経営判断を行うための基盤となります。例えば、Wifiの接続環境が良くないと指摘された場合、ホテル経営者としては、どこに投資すべきかが明確になります。また、ゲストが期待するような適切な改善を行えば、それに応じて価格を調整し、より効果的なサービスを提供することも可能になります。前進するためには、一歩下がって過去のお客様の体験を振り返り、分析し、理解し、調整する必要があります。

過去のデータや経験則がそれほど役に立たない現在、クオリティ(質)という指標を重視することが重要になっています。施設が提供するサービスや商品の品質に対してゲストが支払ってもよいと思う金額を特定し、そのためにゲストに適正だと思われる価格を設定していなければ、ゲストジャーニーの後半(滞在中、滞在後)において提供されるサービスや改善努力は、より効果的なものとなるでしょう。

全体的な戦略を策定する際には、適正価格の設定、予約段階におけるスムーズな予約体験の提供から、効率的なクチコミ管理分析、分析結果からの対応と改善、までお客様のゲストジャーニーのすべての段階に注意を払うことが重要です。これらのアイデアを念頭に置くことで、成功への道がよりスムーズになることでしょう。

※原文(英語)はこちら

ブログ著者:Jannik Heitmuller (ジャニック・ハイトミュラー)。スペイン、マドリードに本社を置く、Boneprice(レベニュー・マネジメント・システム)のセールス・ディレクター。ドイツ出身で5カ国語を話し、ヨーロッパを中心にホスピタリティ業界をテクノロジー面でサポートしている。