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危機下における真のリーダーシップは信頼から始まる

企業の多くは、”従業員を大切にします”、“労働力は最大の資産です”、”人的資本の維持が最も重要です”、といった企業理念を掲げています。もちろん、ビジネスが好調なときは、それらを語るのは簡単です。しかし急にビジネスの潮目が変わってしまうと、どうでしょうか。企業がその善良なリーダーシップ理念に反した方針を取ってしまうことも多々あります。潮目が変わった今、厳しい状況下における従業員への接し方こそが、真の企業価値を決定づけることになります。

突然発生した経営ジレンマの中では様々な疑問も生まれます。通常は、会社の経営理念の下、従業員と共に働く目的や目標を深く考えていきますが、現在のような状況下では、経営理念と株主の利益との間に存在する微妙な境界線を崩す要因が出てくる可能性もあります。

TrustYou(トラスト・ユー)では、これまでも経営陣が迅速な意思決定を行ってきましたが、それは数日前、数週間前に始まったものではなく、何年も前から行われていました。

賞賛を受ける理念と卓越したビジョンはトップから始まる

それが始まったのは、現在の弊社の経営体制となる前の事業を立ち上げ時期で、誰と仕事をするかを決めていた時期にまでさかのぼります。私たちが重要視していたのは、“どのような人たちと提携し、取引をするのか?”、“仕事を共にするリーダー達は、私たちがビジネスを行う上で大切にしている価値観を共有しているか?”という点です。今回の危機に見舞われるまでの間、シンプルだと思われるかもしれませんが、これが常に弊社の意思決定をする際の基本姿勢でした。今のような危機的状況下では、企業経営の基盤は露呈してしまいます。株主のメンバーが、私たちと同じように従業員のことを大切に考えてくれているか、という問いがあります。TrustYou(トラスト・ユー)の場合は幸いなことに、株主の皆様が同じように大切に考えてくれていると言えます。

フレックス勤務時間と在宅勤務は、全社員への信頼を示すもの

弊社の従業員の成果(パフォーマンス)は、出退勤時間とは関係なく、常に結果を測定することを基本としてきました。長年の経験から、弊社の社員は自分の仕事がとても好きで、モチベーションの高い人を雇っていますが、そのような社員とは共に仕事がしやすく、信頼関係を築けることがわかってきました。彼らが、ビーチからでも、朝の4時からでも、いつものオフィスからでも、優れた結果が得られれば、そこには何の違いもありません。だからこそ、政府がロックダウンを発表する前に、TrustYouの社員は在宅勤務へ移行することが容易にできたのです。

常に社員のために存在していることが重要

ポジティブ(楽観的)であるフリをする必要はありません。危機的状況は、リーダーを含め、関係者全員にも精神的な打撃をもたらす可能性があります。時にリーダーシップチーム(経営陣)として弱さを見せることもありますが、それが私たちをより人間的な存在にし、逆に社員に自分自身の意見や思いを検証してもらうことができます。難しい困難を乗り越えるためには、お互いを思いやる気持ちを持つことが不可欠です。経営者としてすべてを統率できているふりをするよりも、率直にコミュニケーションを取り合うことが大切なのです。また、毎日のようにチームメンバーと連絡を取り合い、チームがどのように感じているかを知ることで、逆にチームの士気をも高めることもできます。

状況をどのように捉えるかを自分自身で決め、前進し続ける

見方によっては、現在あるもののすべてが真実です。だからこそ、自分のビジネスが置かれている状況を最もポジティブな方向に捉え、その状況を自分自身が選択したものとして見てみましょう。そうすることで、あなたの心はすぐに意思決定した方向にシフトし、チームのモチベーションを維持するためのトップダウンの勢いも生まれます。危機の時にできる最悪のことは、動くのをやめてしまうことです。たとえ世界全体が停止状態になったとしても、何かできることを見つけて、ある種の流れを維持しましょう。ここでも、弊社では立ち直りの早い(レジリアンスのある)、自己認識の高いチームを雇用していたことで、仕事へのエンゲージメントを失うリスクを軽減できています。

態度や行為、ジェスチャーで、感謝の気持ちを表す

親切心をもって行動することに、特にお金をかける必要はありません。些細なことかもしれませんが、相手の様子を聞いてみたり、冗談を言ってみたり、笑顔を見せたりするだけで、何もうまく行かない状況の中でもコミュニケーションが豊かなものになります。今回、TrustYouでは従業員全員にマスクとアルコール消毒液のケアパッケージを送ることができました。また、危機の影響下にある会社であるにも関わらず、大部分の雇用を確保することができ、経営陣としてはまず我々の給与を減らすことで、より大きなチームへの金銭的な影響を緩衝することができました。

危機の時期ほど、リーダーシップの必要性が全面に出ることはありません。信頼が時間をかけて“真の評判(レピュテーション)”を築き上げますが、まさにそれがすべてなのです。

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