2022年の旅行とは – 新たな時代のニーズに応えるために

「人間の精神の核心は、新しい経験から生まれる」

クリストファー・マッキャンドレス(映画:「イントゥ・ザ・ワイルド」より)

コロナ禍から学習したことの一つに「旅の形は変わっても人は常に旅をし続ける」ということがあります。コロナ前に見られた人々の旅のスタイルやトレンドは、すでに過去のものとなってしまっています。私たちは、ソーシャルディスタンス、入国規制、旅行前のウィルス検査、マスクの着用義務、などが旅行者の行動に与える影響についても観察してきました。 旅行業界に携わる私たちは、今後どのように、この新しい時代の旅行者のニーズに応えることができるのでしょうか。

2022年に向けて、世界の旅行業界の専門家たちが言及しているトレンドを踏まえ、ホテル、旅館の皆様に有益な情報をTrustYouの経営陣メンバーからお伝えしたく、本ブログをお届けしています。

トレンドその①:旅行は人にとって、より意義のあるものに

旅行の予定を立てる際、消費者は旅の内容を深く検討し、吟味することが必要となりました。かつてのように、有給休暇の取得後すぐに飛行機に飛び乗ってモルディブに向かってみたり、無計画のまま国内を電車で周遊したりという旅行スタイルは、最近ではあまり見られません。Google社 の専門家によると、「コロナ禍のために体験できなかった『人生で大切な瞬間』を体験しようする機会が増えていくため、人々は旅行に意義を持たせることになるだろう」と予測しています。

旅行会社向けソリューションを提供するアマデウス社も、同社が旅行者からの問い合わせや予約内容から得た情報から同様のトレンドが見られるとコメントしています。それは、多くの旅行者は、旅行を後回しにするのではなく、自分にとって大切で意義のある、実現可能な旅行を計画しているということを示しています。2022年に向けて、週末の小旅行よりも、これまで後回しにしていたが行きたかった目的地への旅行を計画したり、"死ぬまでにしたいことのリスト”に入れた旅行をしたい思う人も増えているのではないでしょうか。

Benjamin Jost Photo

TrustYou CEO、ベンジャミン・ヨストは次のようにコメントしています。「品質(クオリティ)は、今後旅行者が宿泊先を探す際の大きな判断材料となります。他社が発表した旅行トレンドが示すように、計画をする旅行を自分にとって大切なものと位置づけ、特別な体験を求めてコロナ禍で失われた時間を取り戻そうとする行動が、旅行者の大きな原動力の一つとなります。ホテル、旅館にとっては、旅行者にとって最高の体験を提供することが非常に大切になってきます。」

「ゲストにより良い宿泊体験を提供するために、ホスピタリティ業界では引き続き”清潔さ(クレンリネス)”が重要となるので、引き続きその分野に力を注ぎ、その努力をゲストに知らせることが非常に重要です。収集されたゲストのクチコミを言語分析し、数値化したTrustYouのセンチメントスコアは、施設の問題点を即座に発見し、問題が影響を及ぼす前に修正するのに役立ちます。来年以降も、貴施設でのゲストの滞在を記憶に残る大切なものにするためのお手伝いをさせていただきたいと思っています。」

トレンドその②:旅行はサステナブル(持続可能)なものへ

気候変動の話題が頻繁に取り上げられる中、旅行者は二酸化炭素排出量の少ないサステナブル(持続可能)な体験を求めています。ホテルをはじめとする旅行業界全体にとって、サステナビリティ(持続可能性)に関する旅行者の要求に応えることは課題となっています。Booking.comが実施した調査によると、「世界の旅行者の83%が持続可能な旅行は不可欠だと考えており、61%がコロナ禍をきっかけに、今後はより持続可能な旅行をしたいと考えている」という結果が出ています。さらに、Expedia Group によると、旅行者の約5人に3人がより持続可能な旅行をするためなら、高い料金を支払っても良いと思っていることが明らかになっています。

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ヨーロッパ中東地域シニアビジネスディベロップメントディレクター兼キーアカウントマネージャーであるマニュエラ・アールマンは、次のように語っています。「サステイナビリティというテーマは、ホスピタリティ業界では普遍的なものであり、今後もそうあり続けるでしょう。多くのホテルにとって環境保護対策の導入は、今後も優先順位が高くなることが予想されます。多くの旅行者は、環境に配慮したホテルを予約することに大きな意義を感じ、サステイナビリティのために、好んでより高い宿泊料金を支払うことでしょう。」

「リサイクルの促進、プラスチックの使用削減、地元の環境に優しいアメニティを提供するといった対策は、ほんの一例に過ぎませんが、そのような取り組みについてゲストに伝達することはとても重要です。例えば、ホテルの客室のテレビモニター上で、自施設が行なっている環境保護対策や具体的に取り組んでしている内容を紹介するのも良いでしょう。サステイナビリティをさらに促進するため、滞在後アンケートに関連する具体的な質問を加え、ゲストが自分の宿泊体験をクチコミとしてシェアしてもらえるように誘導するのも良いでしょう。それにより、御社の努力をさらに外部に発信することができます。」

トレンドその③:ステイケーションとマイクロツーリズム

ステイケーションやマイクロツーリズムを楽しむ旅行者は、2021年にすでに増加傾向が見られましたが、2022年も引き続き増加し続けると考えられます。自分が住む国内の近場で安心感も保ちつつ小旅行をしたり、旅行者の視点で近隣の街や地域を見ることは、旅行者にとっても魅力的なレジャーとなるでしょう。旅行業界メディア、トラベルデイリーニュース(TravelDailyNews)の記事で紹介されたParkdean Resorts社の調査では、英国の旅行者のオンライン検索ワードにおいて海外の観光地の検索ワードが減少しているのに対し、国内観光地の検索や問い合わせは大幅に増加しているということが分かっています。

Nao Shitara

セールス担当シニアヴァイスプレジデントの設楽奈央は、柔軟性と特別なプランの提案が鍵になると考えています。「多くのホテルが、より寛大なキャンセルポリシーで宿泊プランを調整しています。そうすることで、お客様が旅行自体をまだ少し不安に感じていても、ホテルを予約する可能性が高くなります。また、地元の人々を対象とした地域限定の割引プランは、空室となってしまう可能性のある客室を販売するのに役立ちます。人々はポジティブな刺激となる体験を求めており、いつもステイホームしている憂鬱な状態と気分を明るく転換することのできる体験を求めています。」

「近隣地域で楽しめるウェルネスツーリズムや、自分が住む街で週末を過ごし、素敵なホテルで豪華な朝食を堪能するといった魅力的なプランは、遠くに出かけることが難しい今日、気分を明るくしてくれます。また、こういったポジディブな体験をしたゲストがクチコミやレビューを残すことで、御社の評判を高め、今後の予約につながることも忘れてはなりません」と、設楽は述べています。

トレンドその④:非接触型コミュニケーションとテクノロジー

このトレンドはコロナ禍以前から始まっていますが、近年はさらに需要が高まっています。非接触コミュニケーションは、効率的かつ安全で、時間を節約でき、さらに特定のハードウェアを必要としないという点ではとても導入しやすいテクノロジーです。Oracle社とSkift社の共同調査によると、約70%のホテルがチェックイン、食事の注文、コンシェルジュサービスなどに非接触テクノロジーの採用をすでに計画しているとの結果で出ています。さらに、44%のホテルがオンサイトでのデジタルコミュニケーションサービスの導入を検討しており、28%はすでに導入済みまたは導入中と報告されています。

アジア太平洋地域 セールス& オペレーション担当ヴァイスプレジデントのアレックス・タンは、次のように述べています。「ゲストとホテルスタッフの双方にとって安全な出会いを実現するために、コミュニケーションを非接触型でシームレスなものにアップグレードしたいと考えているホテルが多いです。ソーシャルディスタンスを取る必要があるため、多くのホテリエは、これまでと同じクオリティ(質)のサービス提供することに苦労しています。TrustYouでは、メッセージングや滞在中アンケートなどツールを備えたLive Experience(ライブ・エクスペリエンス) を提供することで、滞在中のゲストとのタイムリーなコミュニケーションと満足度の確認が可能となります。これにより、ゲストが滞在しているうちに問題に対処し、滞在後のネガティブなクチコミを未然に防ぐことができるのです。」

トレンドその⑤:ビジネストラベルや対面ミーティングの復活

オンラインミーティングやバーチャル商談会を2年近く続けてきた結果、社員や企業の多くが対面式の交流に戻りたいと考えていることは明らかです。ある旅行アナリストによると、ウェブ会議を定期的に利用しているアメリカの旅行者のうち⅔以上が「Zoom疲れ」を感じており、さらに63%が「そろそろ対面式のミーティングに戻りたい」と考えているといいます。

AccorHotelsの「トラベルレポート」によれば、今後のイベントはより小さく、短期間でより地域別に開催されると予測しています。会議やイベント関係者の58%が、参加者150人以上の大規模ミーティングが減少すると考えているのに対し、関係者の25%が参加者30人以下の小規模イベントが減少すると考えています。2022年には小規模イベントの開催が増えることが期待されています。

2017 Castillo Valerie Port

マーケティング担当ヴァイスプレジデントのバレリー・カルボーニは、「ビジネス旅行は、長期間続いた世界的なロックダウン後、最初に回復した旅行者セグメントです。ビジネス旅行は、レジャー目的の旅行に比べて全体的な回復のスピードは遅いかもしれませんが、現在はさらなる回復が進んでおり、ホテルには、ビジネス出張者に適したサービスを提供し、この重要なターゲットグループからの収益を増加させるという大きなチャンスが存在します。例えば、完璧なWi-Fi接続環境、ソーシャルディスタンスが確保されたコーワーキングスペース、特別料金で予約できる会議室の設備投資です。このような取り組みは、企業やビジネス旅行者がオンラインで宿泊施設を検索する際、ホテルのウェブサイトや予約サイト上のクチコミ/レビューのサマリーでも表示されます」と、最後にコメントしています。

※ブログ原文(英語)は、こちら

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