独立系ホテル向けシリーズ(パート4):お客様ひとり一人にカスタマイズした、きめ細かな対応で大手ホテルと差をつける

eブック「有名ブランド名なしで“ホテルブランド” を構築する-独立系ホテルの経営者がホテルブランドを構築するには」(英語版:Branding Without The Brand Name - An independent Hoteliers Guide To Building Brand Value)を各章ごとにわかりやすく解説する新しいブログシリーズ「独立系ホテル向けシリーズ」の最終回です。ここまで、独立系ホテルがブランド力に頼ることなしに、そのパフォーマンスを最大化する方法を紹介してきました。それは、ブランド力に頼ることなく、独立系ホテルとしての強みや違いに気づき、それをマーケティング戦略に活かし、SEOやモバイル機器の最適化、テクノロジーを駆使するといったことでした。さらに、オンライン上の施設のクチコミを管理することの重要性を確認しました。

今回は、さらに課題を深く掘り下げ、なぜ独立系ホテルのスタッフがお客様ひとり一人にカスタマイズした細やかな対応をすることに注力すべきか、そして、それがなぜ多くの旅行者を獲得することにつながるのかについて解説していきます。

独立系ホテルはその小規模な組織体制から、一般にホテルの管理についてより自由度が高いと言えます。大手のホテルチェーンが、規則や基準、組織的な面で制約が多い傾向にあるのと反対に、独立系ホテルでは、独自に規則を決め、お客様に対応することができます。つまり、独立系ホテルでは、スタッフがひとり一人の宿泊客の好みに合わせた対応をすることで、お客様の満足度は上がり、ホテルに対するロイヤリティのアップも期待できます。宿泊客の好みに合わせた対応をすることは、昨今の旅行者、とりわけZ世代(1990年代後半以降生まれ、デジタルネイティブでブライバシー重視の傾向がある)の旅行者にとって大きな価値となるでしょう。もちろん、Z世代だけでなく、誰もが自分の希望にぴったりの宿泊施設を常に探しているのです。

小規模組織だからこそできる、一人ひとりの宿泊客にカスタマイズした対応

ホテル・旅館がお客様と継続的に連絡を取り合うことは、担当者がすぐに実行可能で効果の出やすいマーケティング手法の一つです。しつこくならないように、頻度に気をつけながら、スピード感のある効果的なコミュニケーションのチャネルを提供してください。TrustYou(トラスト・ユー)のプラットフォームは、宿泊客とスタッフ間の双方向のコミュニケーションが簡単にできるメッセージング・ツールを提供しています。これを利用することでお客様への、よりパーソナルな対応が可能です。

お客様のカスタマー・ジャーニー(予約前、滞在中、滞在後)のあらゆる段階において、ホテルがお客様と積極的に関わり、継続的に有益な情報を提供することで、お客様は大切にされていると感じます。お客様とは一定の距離を保ちつつ、リアルタイムにコミュニケーションを行い、できるだけきめ細やかなパーソナルな対応を行うことをおすすめします。お客様の名前でお声がけをし、お客様のニーズと何を欲しているかに注意を向けることが大切です。

 

さらにメッセージング・ツールの利用には別の利点もあります。お客様が滞在している間にその要望やニーズを知ることができれば、滞在後にお客様がネガティブなクチコミを投稿する前に、問題を解決する機会が得られます。一方、お客様側でも、滞在している間にアンケートの記入やクチコミの投稿依頼を受けることで、絶えずお客様を気遣っているホテルだという印象を持たせ、良い総合評価につながります。宿泊客は誰でも、ホテル側に大切に思われていると感じたいものなのです。ホテル側は出来る限り早く、効率的にお客様が対応して欲しいと感じていることを認識しましょう。

 

宿泊客との一線を保ちつつ、一人ひとりにパーソナルに対応する、顔が見えるホテルを目指す

 

ソーシャルメディアについては前回のブログでも説明しましたが、宿泊客と良い関係を築くためには、出来る限り多くののソーシャルメディア・アカウント(チャネル)をホテル側で用意することが重要です。ネット上で宿泊客とコミュニケーションを取ったり、情報やコンテンツのやり取りをしたりすることが、お客様一人ひとりにきめ細やかな対応を取っているとお客様は捉えるでしょう。ソーシャルメディアの担当者を決めて、お客様のリクエストに常に返信できる体制を作りましょう。ソーシャルメディア対応はカスタマーサポートの一つとして必要不可欠なものになりつつあります。そして、ソーシャルメディア上のユーザー生成コンテンツ(お客様が投稿するコンテンツ)を積極的に活用しましょう。多くのお客様はホテル滞在中の経験(SNSでのチェックイン通知、写真やストーリーズなどの投稿、クチコミ評価)をシェアしたいと望んでいます。また、ホテル側はソーシャルメディアのアカウントを設け、ホテルの評価を常にモニターしましょう。ホテルを探している旅行者に信頼できるホテルだと思ってもらうためには、宿泊客のカスタマー・ジャーニー(予約前から滞在中、滞在後)のいつにおいても、お客様のからのメッセージに対して迅速に担当者が返信していることを見せる必要があります。

 

宿泊客一人ひとりにカスタマイズした細やかな対応をする際は、あなたのホテルが他に負けない部分は何かを一歩下がって客観的に見る必要があります。それは立地かもしれませんし、ホテルの特別な歴史や伝統、あるいは洗練されたアメニティの数々という場合もあるでしょう。旅行者が、他のホテルではなく、あなたのホテルを予約したくなる理由は何でしょう。独立系ホテルという小規模な組織であれば、ロイヤリティプログラム、ユニークなインテリアデザイン、ホテルだけで楽しめる地域の料理など、ホテルの持つ優れた特長を売り出し、ホテル独自のコンセプトに焦点を当てることが可能です。細かなことに目を向けることが、ホテルのイメージ向上に貢献し、最大限にその特長を活かすことになります。

 

ホテル内の各種システムの連携により、スタッフの日々のオペレーションが簡単に!

 

宿泊客の満足度向上のために努力する一方、ホテルスタッフの負担も減らしたいものです。独立系ホテルなら、ホテル内の日々のオペレーション業務をよりシンプルにする方法がいくつもあります。とは言っても組織がシンプルでもホテルを運営するためにはある一定数のシステム利用は必須です。旅行者の予約からホテル滞在、チェックアウト、そして滞在後まで、シームレスなサービス提供が必要です。それら全てのシステムを統合することにより、ホテルのオペレーション業務が簡素化し、日々の業務を簡単により素早くこなせるようになります。その結果、ホテルスタッフ全員の時間が節約でき、ホテルのサービスや評価を向上させるため、改善点に対して注力できる可能性が生まれます。

API(アプリケーション プログラム インターフェース)は、いかにアプリケーションが互いに影響し合い、作用すべきかを規定する一連のルールやプロトコルといえます。ウェブ上でのコネクションを通して、企業間で安全にデータを送受信することを可能にします。ホスピタリティ業界において、ホテルは常にAPIを利用しており、PMS(プロパティ マネージメント システム)、CRM(カスタマー リレーションシップ マネージメント)、OTA(オンライン トラベルエージェンシー)など、もっとも一般的なデータベースに接続しています。独立系ホテルは、グループ内のホテル施設間でデータを共有する必要はありません。このため、APIを使う理由は、ホテル内の個々のシステムを接続し、より簡単に管理することが導入お目的となります。APIはその導入や利用が簡単です。見えない部分で働き、確実に日々のオペレーション業務に違いをもたらします。

 

結論(今すぐ行いたいこと):

  • 一人ひとりにカスタマイズした細やかな対応で、お客様の満足度向上に注力しましょう
  • お客様との連絡用のチャネルを常にオープンにし、ソーシャルメディア・アカウントに常に気を配りましょう
  • 日々のオペレーション業務を容易にするために、ホテル内で利用しているシステムをASIで連携させましょう

独立系ホテル運営に関わるあなたのために、ホテルのウェブサイトや独立系ホテルの強みを最大限に生かすための多くのアイデアを無料のeブック(英語版)にまとめました。ぜひダウンロードしてご活用ください。

Catalina Brinza

Catalina is a social media and data enthusiast. At TrustYou, she's on a mission to bring the most out of travel and hospitality data. One day, she hopes to experience Japan's culture to its fullest.

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