ペットフレンドリーな宿泊体験とは〜ゲストレビューから学ぶ4つのポイント〜

コロナ禍により、世界的にもペットの飼い主が増え、愛犬や愛猫と共に緒に旅行することを望む方も増えています。日本のホテル・旅館でも、この新たなマーケットを開拓すべく、ペットと泊まれる宿泊プランが増えています。飼い主であるお客様は、宿泊施設のサービスをどのように評価をされているのでしょうか。関連するクチコミ・レビューを元に紐解いていきたいと思います。

ペットと共有する日々の体験は、人生の中でとても思い出深いものとなります。動物たちは私たちの家庭や家族の一員となり、生活の質を高めてくれます。

A cat and a dog sitting on grass.

2021年-2022年:ペット所有状況

イギリス: 10世帯中6世帯がペットを所有

アメリカ: 10世帯中7世帯がペットを所有

なお、日本国内で犬を飼育しているのは約680万世帯(全世帯の11.9%)といわれています。

A pet owner with her dog and cat

パンデミックで、ペットオーナーの 78% が新たなペットを飼い始めています

ペットと宿泊可能なプランがない場合、旅行の計画をキャンセルする

ペットオーナーの65%が今後の旅行にペットを連れていきたいと回答

動物であるペットを一緒に連れて行くとなると、旅行の計画はより複雑になります。目的地までどのようにして動物を運ぶか、どこに泊まるのか、そのホテルは小型犬の受け入れのみか、など旅行計画にはより多くの時間を要します。 それでも、ここ数年でペットと一緒に旅行したいというお客様のニーズは高まっています。ある調査では、約半数のペットオーナーがペットを連れて行けないなら、計画をキャンセルしても良いと考えているといいます。

A pet owner with her dog looking at canyons.

ペットオーナーの60%が、ペットを連れて行けるなら、旅行がより快適になると回答

ペットオーナーの47%がペットと宿泊可能なプランがない場合、旅行をキャンセルすると回答

ペットのためにさらに開かれる扉

人間と動物、両方の旅行者のニーズに応えるため、ペットの宿泊を受け入れるホテルが増えています。今年、ペットの受け入れを最も拡大したのはヒルトングループで、日本国内のヒルトンブランドホテルでもペットとのお泊まりプランを展開しています。ちなみに、世界で最も多いペットオーナー人口を持つアメリカ国内では約85%のホテルが、猫と犬のための“ペットフレンドリーポリシー”を導入していると言われています。

ペットフレンドリーな宿泊体験の構築に向けて - クチコミから学ぶ

ペットの同伴が可能なホテルが増える中、ペットにも配慮した宿泊体験を提供するための試行錯誤は続いています。そこで今回は、ペットと一緒に泊まれるホテルにおいて、どのような点がお客様から好まれているのか、また、どのようにすれば人と動物、両方の宿泊体験を向上させることができるのか、TrustYouのクチコミデータベースから紐解いていきたいと思います。

  1. ペットの宿泊料金やオプション料金を明確に表示する

ペット用の宿泊料金を設定するのは、欧米では当たり前となっています。この料金を設定するためには、人間のお客様の場合と同じで、競合施設の料金を確認することです。OTAや自社サイトに料金を表示することで、ゲストが料金を認識できるようにします。もし、平均よりも高めの料金を設定している施設様の場合は、犬や猫のためにどのようなサービスや施設を提供しているのかを具体的に明記し、写真などで紹介しましょう。

Pet Comment 2 1
ヨーロッパのホテルの例ですが、料金に含まれるサービスやオプションを明記することをお勧めします。
Pet Comment 1 2
ペットの宿泊料金をご案内する際は、オプション料金も明記すると良いでしょう

競合施設がどのような取り組みをしているか、TrustYouの”競合Index”を使えば、クチコミデータから競合施設と比較する指標を設定し、確認することができます。

2. ペットもお客様として扱う(ただし、飼い主への配慮も忘れずに)

ペットと一緒に旅行しているお客様は、ペットを家族の大切な一員と考えている場合がほとんどです。人間のお客さまに接するのと同じように、ペットを大切に扱い敬意を払うようにしましょう。

ワンちゃんやネコちゃんであるお客様に少し時間を割いて、コミュニケーションを取ってみましょう。飼い主の方にワンちゃんを撫でても良いか尋ねてみてください。チェックインの際に、飼い主の方の許諾を得た上で、ペットにちょっとしたおやつをあげてもとよいでしょう。また、共有スペースやエントランスに、足の洗い場や飲料水用の清潔なボウルを準備すると良いでしょう。飼い主の方にも喜んでいただけるはずです。

Pet Comment 1 1
ペット用のおやつを提供する場合は、必ず飼い主の方に許諾を取りましょう。
Pet Comment 3 1
飼い主の許諾を得た上で動物であお客様と触れ合い、動物の気持ちに寄り添ってみてください。
  1. 清潔さに気を配る

ペットも一緒に泊まる場合、高い清潔基準を維持するのは大変です。年月が経つと、部屋に独特の臭いが漂うこともあります。これを防ぐには、部屋の換気と清掃を常に適切に行う必要があります。

ペット向けの施設やサービスが充実していても、飼い主様に100%満足していただけるとは限りません。もちろん、ペットの喜びや飼い主の喜びでもありますが、飼い主向けのサービスや質には常にチェックしましょう。

Pet Comment 5 2
飼い主様も動物の匂いは気にされますので、部屋の換気と清掃に注意を払う必要があります。
Pet Comment 4 1
ペット連れのお客様も通常のお客様と変わらず、清潔さは重要ポイントとなります。 
  1. ペット同伴可能なホテルであることを必ず記載する。

すべてのお客様がペットがホテルに宿泊できることを歓迎しているわけではありません。他のお客様にも、予約の段階からペットも宿泊可能なホテルであることを伝えましょう。ワンちゃんは吠えたり、騒音を出すこともあり、ホテルや飼い主の力ではどうにもならないこともあります。全てのお客様に事前にご理解をいただくよう、努めましょう。

Pet Comment 6
すべてのお客様にご理解いただけうよう働きかけてみましょう。

様々なホテル・旅館でペットの受け入れが進んでいますが、言葉の通じない家族との旅行はまだまだ難しく、制約が多いのが現状です。動物たちを人間のお客様と同じように扱うことが重要ですし、時に周りのお客様にご理解を求めることも必要となります。

TrustYouのオンラインアンケートをお使いいただくと、サービス向上のきっかけとなる実用的なデータを得ることができます。ペットの受け入れ体制についての質問をはじめ、新たな取り組みについてお客様の声を集めることを可能とします。

ブログ原文(英語)はこちら

Akira Takatsu

Akira is a Marketing Manager at TrustYou K.K. who handles PR and Marketing activities in TrustYou Japan. Over the past decade, he has used his expertise to contribute to the travel & hospitality industry.

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