スイスの一人勝ち?トラベルヘルスインデックスから見た観光地のリカバリー

スイスは、アルプスの素晴らしい自然や景色や、人気のチーズやチョコレート製品をはじめ、スイス人のライフスタイルも常に周りのEU諸国から称賛されています。さらに、2021年に入ってから、観光地としての旅行の回復状況も称賛すべき点があります。

下記の図表は、宿泊施設に関するクチコミ投稿件数の回復状況(2019年度同週との比較)を示すTrustYou独自の指標、トラベルヘルスインデックスで、ヨーロッパ諸国の状況を示しています。推移を見ていくと、スイスの宿泊施設のクチコミ投稿件数が2021年3月(March 15の週) から急激に増え、その後前年比で100%以上に回復していることが分かります。

また、各国ロックダウンの緩和が始まる2020年6月頃までさかのぼってみても、下記の図1を見ると、常にクチコミ投稿件数のリカバリー(回復)がスイスから始まっていることが分かります。

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図1: トラベルヘルスインデックス(2020年1月6日 – 2021年5月24日)- スイスがヨーロッパのの旅行回復を牽引 ※クリックして拡大

さらに、下記の図で、2021年1月からの推移を見てみると、5月あたりからEU圏内のその他の国でも回復が見られます。各国でのワクチン摂取の広がりの影響もあり、今後のさらなる回復が期待されます。

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図2: トラベルヘルスインデックス(2021年1月1日 – 6月21日)- イギリスとポルトガルが6月にスイスを追い抜く *クリックして拡大

ヨーロッパのクチコミ投稿状況は、全体的に回復に向かってますが、新型コロナウィルスの感染者が減り、さらなる入国規制の緩和により旅行者が自由に国境を越えることができるようになれば、さらなる回復が見られるでしょう。上記データを見ると、ヨーロッパの観光業にとっては2021年5月が大きな転換期となったようです。

スイスの宿泊施設の稼働が、なぜ近隣諸国より早く回復しているのか、そのデータの背景を調べ、理解することが重要です。もちろん、長期にわたりロックダウン状態であった都市部に暮らす人々が、美しい自然や景観を求めスイスに向かうのも当然かもしれません。

また観光立国として進んでいるスイスは、国や自治体レベルでの特別なリカバリー戦略や対策があるのかもしれません。イギリス、フランス、ポルトガルもスイスを追いかけるように回復に向かっていますが、それぞれの国で何が起きているのでしょうか?下記の参考資料のリンクに参考となる記事がありますが、クチコミデータにも各国の取り組みや旅行者の動向が反映されているといえます。

参考資料:

アフターコロナの観光・インバウンドを考えるVol.2 観光カリスマ山田桂一郎氏に聞く スイス事例からの学びとコロナ後の日本の未来 (やまとごころ.jp)

ヨーロッパ域内での旅行がゆるやかに再開、一方で今夏も米国からの旅行者回復は望み薄【外電】(トラベルボイス)

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