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カルチャートラベル:地域の歴史文化を活用する

これまでの典型的な観光や旅行とは、旅先の景色、アクティビティや食事を楽しむことが中心でした。ここのところ世界中で、その場所でしか味わえない豊かな体験を求める旅をカルチャートラベル(歴史・文化観光)といわれる体験型の旅行スタイルが定着しつつあります。もちろん、外国人観光客の受け入れ先である世界中の観光地や自治体も異文化体験が楽しめるような観光素材を作り始めています。

ホスピタリティ業界は、今、こうしたカルチャートラベルのニーズ(歴史や文化体験に興味を持つ旅行者)への対応を求められています。宿泊客の期待に応えられるよう、ターゲットとなる顧客層やその興味について多面的に知ることが重要となっています。今回は、カルチャートラベルを求める旅行者がどのような人たちで、どのように関わっていけばよいかについてご紹介します。

カルチャートラベルとは?

まず初めに、カルチャートラベルは、歴史や美術、宗教、食などの特定の興味が旅行の動機となる旅行スタイルです。つまり、旅行者は、旅先でリラックスしたり、好奇心を刺激するアクティビティのみを求めているのではなく、その土地にある日常とは異なる文化やその背景、歴史を感じ、体験することを求めています。歴史・文化に興味を持ち、その土地でしか味わえない体験を求める旅行者は、一般的に知識や教養のある人物である傾向が強く、自分にとって価値ある経験に対しては、高い対価を払ってもよいと考える傾向があるという調査結果も出ています。こうした旅行者は非日常を求めていて、積極的に現地の人々とコミュニケーションを取ることで、自分たちと異なるライフスタイルを持つ現地の人々と触れ合い、理解したいという傾向があります。また、カルチャートラベルを求める旅行者の多くは、滞在中に小旅行やアクティビティの提案を受け入れやすい傾向もあります。それによりその地域の文化の本質に触れることができるからです。彼らは、費やす金額ではなく、体験すること、その時間に価値を見いだしている点に留意する必要があります。

こうしたカルチャートラベルのお客様の傾向は、ホテル・旅館経営者にとっては収益を上げるチャンスとも言えます。宿泊客にお声がけをするなど心を開いてオープンなコミュニケーションを図ることは、ポジティブ(肯定的)な意見や感想(=レビュー/クチコミ)を得るチャンスにもつながるでしょう。

こうした旅行者の特性に基づき、歴史・文化観光を目的とした旅行者をホテルに迎える際、ホテルの収益アップの一助になる方策をご紹介します。

インバウンド旅行者への心遣い

以前にも弊社で取り組んだトピックのひとつですが、とりわけカルチャートラベルに関しては多くの場合、外国からのお客様をもてなすことに留意することが重要です。カルチャートラベルは一般的に海外からのお客様を対象としています。このため、多言語でのコミュニケーションが求められ、支払い時には国際通貨やクレジットカード/電子マネーに対応するなど、必要な情報や知識を備え、準備する必要があります。

質問に答えられるだけの知識と有益な情報を提供する

ホテルや旅館が、歴史地区や文化的要素の強い建物のある地域に位置していれば、宿泊客から地域の歴史や文化に関する質問を受ける可能性がありますので、スタッフはその答えをしっかりと準備しておきたいところです。例えば、その地域の風景に隠された“ストーリー(物語や背景)”などについてのスタッフが知識を持っていて、質問に答えてくれたという事実について、お客様はとても感謝するはずです。

地域ガイドやツアー会社との協力

宿泊客にとって地域において興味を持つであろう体験を提供するツアーオペレーターや地域ガイドと協力関係を築くことから始めましょう。パッケージ商品や宿泊プランを作って、お客様にホテル宿泊を予約してもらうことも良いでしょう。最高の宿での滞在体験と共にここでしか味わえない歴史・文化観光を楽しんでもらうのです。同時に、ホテルや旅館独自のアクティビティを提供することで収益を増やせる可能性もあります。例えば、宿泊施設の周辺地域に有名な映画のロケ地があれば、年に1度、その映画の上映会を開いてはいかがでしょうか?お客様は地域の魅力を垣間見ることでしょう。

地元の郷土料理に注目する

ご存知の通り、“食”は、旅を構成する要素としてその大きな部分を占めています。その土地の文化と郷土料理は深く結びついています。館内のレストランでは、地元の食材を使った伝統的なレシピによる特別な料理、郷土料理を提供したいものです。ホテルや旅館にレストランが併設されていなければ、宿泊客に対して、近隣の郷土料理の美味しいレストランを紹介すれば、きっと喜んでくれるはずです。

つまり、その土地の文化や歴史を体験したいと思っている旅行者にとって、魅力的に見えそうなものを何でも揃えて、お勧めする準備が必要だということです。それは、その他の目的(ビジネスや宴会など..)を持ったお客様に対するサービスを損なうことなく、歴史・文化観光を目的とする旅行者を惹きつけ、それがホテルや旅館のビジネスを押し上げることにつながるかもしれません。