旅行業のテクノロジートレンド – 2020年の動向予測

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旅行・ホスピタリティ業界にとって刺激的な年であった2019年がまもなく終わります。「宇宙家族ジェットソンズ」がテレビで放映されて以来ずっと夢見てきた革新的な未来のテクノロジーに、今年もまた一歩近づきました。

弊社TrustYouは、2020年に主役となりうる最もインパクトのある技術トレンドについて分析することを使命としています。過去の2018 年2019年 (英語)のブログで、当時のトレンドを確認することができます。

それでは、2020年のトラベル業界のテクノロジートレンドとホスピタリティ業界の未来をのぞいてみましょう!

顔認証システム

近年、顔認証システムによって携帯電話のロックを解除したり、銀行のパスワードとして使用したり、IDカードの顔の画像共に使用して本人確認をするようになりました。旅行業界では、世界各国の国際空港で顔認証システムが試験的に導入される予定です 。これにより、空港でのセキュリティチェックに長時間を費やすことがなくなり、旅行者は顔をIDカードとして使用し、パスポートや運転免許証をカバンから取り出すことなく、空港のセキュリティを短時間で通り抜けられるようになるといわれています。

私たちは、即時性、自動化、そしてそれぞれの場面に合ったソリューションを体験できる未来に近づきつつあり、これにより旅行体験はますますシンプルでストレスフリーなものになるでしょう。顔認証という技術にも善し悪しがあることは否めせんが、旅行業界の未来を切り開く技術(テクノロジー)を目の当たりにすることになるのはとても楽しみです。例えば、シンガポールの入国管理局の発表(英語)によると、2025年に顔認識と虹彩認識(こうさいにんしき)によって完全自動化された出入国管理システムをすべての旅行者が利用できるようになるとのことです。

セルフチェックイン

さらに、2020年旅行業界に影響を与える可能性が非常に高い、空港およびホテルのチェックインに関するもう一つのテクノロジートレンドを見てみましょう。旅行者のホテルに対する好みや期待は世代によって異なり、ひとつのアプローチで万能に対応することはできなくなりました。

特にホテルのチェックインプロセスがそうです。ホテルスタッフに直接迎えられて案内されることを希望するゲストもいれば、自分で迅速にチェックインしたいゲストもいます。チェックインキオスクは、ホテル経営者にとってコストを削減し、プロセスを自動化できる技術であり、逆にゲストにとってはチェックインにかかる時間を節約できます。セルフサービスの場合、表示された追加サービスをゲストがニーズに合わせて簡単に選択できるため、アップセルの機会につなげることも可能です。詳しくはホテルにセルフチェックインが必要な5つの理由(英文)をご覧ください。

スマートインテグレーション & パーソナライゼーション

相互連携されたソフトウェアを利用しない企業にとって、日々の運用は難しくなっています。それぞれ独立したシステムとそれぞれの特有の機能が重要であることは言うまでもありませんが、その統合機能も同様に重要です。今日、ホスピタリティ企業は経営戦略の一つとしてテクノロジーを無視することはできません。

良い結果を得るには、すべての必要となるシステムを相互にシームレスに統合、連携させる必要があるのです。 スマートインテグレーションの重要性(英語)については以前から指摘してきましたが、今日、これは単なるトレンドではなく21世紀に必要なものであると自信を持って言うことができます。

システムのインテグレーション(連携)は、操作を簡単、迅速、効率的にするだけでなく、ゲストエクスペリエンスのパーソナライズ化にも貢献します。例えば、ホテルのPMSシステムがTrustYouのようなクチコミ管理プラットフォームに連携されている場合、ゲストの期待と経験に関する貴重なインサイト(滞在前アンケートや以前のホテルとゲスト間のコミュニケーションから)を自動的にPMSに転送して保存できます。これにより、より詳細なゲストプロファイルを得られ、ホテル運営者はゲストについてより多くのことを知り、期待に応え、充実したホテル滞在を提供できます。

旅行業界に影響を与え続ける VR / AR / AI

VR/AR/AIは以前からホスピタリティ業界に影響を与えてきた技術革新であり、今後も影響を与え続けると考えられます。一時的なブームは過ぎたものの、その技術は日々改良され、そのインパクトは増しています。現在、チャットボットと人工知能は様々な用途において世界中で使用され、特にホテルとゲスト間のコミュニケーションを最適化し、人間に近いコミュニケーションを正確に再現することで時間とコストの削減に役立っています。

仮想現実および拡張現実は、旅行目的地、宿泊施設、その他の設定を視覚的に探索できるため、ホスピタリティ業界にとって最適な環境です。現在VRとARはホテル業界に必須ではなく、今後もその状況に変化はないと思われますが、ゲストの旅をより楽しくし、ホテルの人気を高める上で優れた機能であり、その結果として予約につながる可能性が高くなります。毎年テクノロジーは進化し、このような刺激的な革新によってゲストの旅の質を間違いなく向上させることができるため、VR / AR / AI に対する人気は時間の経過とともにさらに増加すると考えられます。

ブロックチェーン

一見すると、「ブロックチェーン」という言葉は、専門的で難解であり、少し未来的な言葉です。しかし、ブロックチェーンはすでにホスピタリティ・旅行業界に影響を与えている概念で、2020年ではさらに耳にする機会が増えると考えられます。ブロックチェーンとは、さまざまなトランザクション(情報のやりとり)が暗号によって安全に保存されている、公開記録のリストです。旅行業界では取引を行う安全な方法として、特に支払いにブロックチェーンを使用しています。ブロックチェーンテクノロジーには分散型の性質があるため、データはより安全で透明性を保った状態で、永続的に保管されます。さらに、情報を紛失したり、関係者全員の同意なしに情報を変更したりすることはできません。

ハッキングなどがはびこり、サイバーセキュリティが重要となるこの時代に、ブロックチェーンは安全で安定した情報のやりとりを確保できるテクノロジーです。ホスピタリティ業界でのブロックチェーン利用方法についてさらに詳しくは、こちらの記事をご覧ください。