User MeetUpレポート①:「DX・データ活用によるESとCSの相互向上を通じて戦略的なホテル経営にシフトするために」

TrustYouでは、年に一回ユーザーの皆様と、クチコミのトレンドやTrustYouの活用方法を勉強する“ユーザー様向け勉強会(通称:ユーザー会またはUserMeetUp)” を開催しています。2021年は11月10日と17日に、オンラインで開催しましたが、本ブログでは、その内容の一部をご紹介いたします。

11月10日の勉強会は「DX・データ活用によるESとCSの相互向上を通じて戦略的なホテル経営にシフトするために」と題して開催。まず、弊社セールスチームの藤岡からTrustYouの活用事例として、「客観的なデータを基本の経営指標に組み込む重要性」についてお伝えしました。

客観的なデータを基本の経営指標に組み込む重要性

下記のグラフにあるように、コロナ禍に入った2020年から2021年の日本の宿泊施設の“全国平均クチコミスコア”、”全国平均稼働率”、”クチコミ数”の推移を見てみると、2021年度は前年度に比べ、クチコミ数は安定しており、クチコミスコアが稼働率と共に回復傾向にあることが分かります。クチコミスコアが上がっている背景には、宿泊客の満足度が上がっていることが読み取れます。

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では、このようなデータをどのように経営に組み込んでいくのか、悩まれている経営陣の方も多いと思います。データを経営指標とするためには、自施設のデータのみを追っているだけでは足りません。つまり客観的な指標を持つことが必要です。例えば、自社のクチコミスコアは上がっているが、競合ホテルのデータやマーケットやエリアのデータ、ブランド別のデータは、どうなのか。複数のサイトに投稿されているクチコミデータを効率的に集めながら、俯瞰的に、そしてさらに深掘りをしてデータを見ていくことが大切です。

競合ホテルに比べて、自社ホテルはどうなのか。TrustYouが提供する「競合Index」を経営の基本指標に組み込み、顧客満足度(C S)に対する確固たる経営指標とし、客観的なスコアを用いて自社の立ち位置を把握することを目的に運用を行っているホテルチェーン様の事例をご紹介します。

下記のスライドにあるように競合Indexは、予めTrustYouで設定した複数の競合施設の平均スコアと自施設のスコアを比較したスコアです。競合ホテルに比べ、自施設がどの位上回っているのか、それとも下回っているのかを把握できます(競合Index=自社ホテルの値÷競合ホテルの平均の値)。例えば、自施設のスコアが競合平均と全く同じスコアであれば、競合Indexは「1」となります。クチコミスコアの競合Indexが0.82であれば、0.18下回っていることになります。

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こちらのチェーンホテル様では、TrustYouのパフォーマンススコアの競合Indexを指標としています。“「CS(顧客満足度)」に対する確固たる経営指標とする”、また毎月のクチコミスコアのアップダウンに一喜一憂するのではなく、“客観的なスコアを用いて自社の立ち位置を把握する”という2点を目的に運用を始めました。

プロセスの策定としては、各ホテルの競合Indexを毎月の経営会議で発表し、数値の良いホテルについては分析結果や現場での取り組みを紹介、数値が良くないホテルにはCS担当者が各ホテルに聞き込みをし、対策も同時に検討するというものです。

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その効果としては、まず本社としてモニタリングするKPI(重要経営指標)を明確化することができ、また現場のやるべきことも明確化できたとのことです。競合Indexの数値を上げるために各ホテルがどの部分をどう磨いていくかを柔軟に決め実施、また経営層との共通認識を得ることで、本社と現場が一丸になったとのことでした。

その他の効果としては、RGIなどのレベニューの指標とCS指標の相関性を元に、ADRと上げる施策と連動させることができるようになったとのことです。またデータ収集および分析にかかる作業の負担をTrustYou導入で軽減することにより、本来のCS業務に時間を費やせるようになりました。

基本の経営指標に加え、トレンドにあったプラスαの経営指標を策定する

もう一つの視点として、弊社セールスチームの及川から「基本の経営指標に加え、トレンドにあったプラスαの経営指標を策定する」ことの重要性についてお伝えしました。近年では安全、衛生、清潔さがお客様が重要視されるようになりましたが、TrustYouデータから、コロカ禍でゲスト(宿泊者)の意識がどのように変わったかを見ていきましょう。

下記のグラフでも分かるように、2020年から2021年にかけて「マスク、消毒、ソーシャルディスタンス」といったキーワードに関連するクチコミ数は比較的横ばいで推移していて、一方で「清潔さ」に関連するクチコミの投稿数が2020年から増えていることが分かります。「清潔さ」に関するクチコミは、2021年1月の緊急事態宣言の発令で一旦減少をしましたが、再び増え、微増傾向が続いていることが分かります。

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さて、それに対して、お客様の「清潔さ」に関する満足度はどのように推移しているでしょうか。センチメントスコア(=各カテゴリにおける全言及のうち、ポジティブな言及数の割合)を見てみると、2020年は「客室の清潔さ」、「バスルームの清潔さ」といういったカテゴリーで大幅な満足度の下降が見られました。コロナ禍でお客様の清潔さへの感度が高まり、少しでも汚れが目につくと不安を煽りネガティブなクチコミ投稿につながるケースが多く見られたのです。

一方で、「公衆衛生」に関する満足度は2021年に前年度比で上がっていることが分かります。宿泊施設の感染対策や衛生管理対策がこのカテゴリーに含まれますが、その部分が改善され、満足度を押し上げていることが分かります。このようにお客様の衛生基準に対する評価がとてもシビアになっている今、清潔さについてネガティブなクチコミが投稿されると、全体の全体の満足度を押し下げる要因にもなります。このように重要視すべきポイントはその時々で変化します。それぞれの時代のトレンドと自社のトレンドを比較し、その差を確認し、打ち手を講ずることが重要となります。

次に自社アンケートを活用し、現状把握と課題の特定をしている事例をご紹介します。あるチェーンホテル様ですが、コロナ禍に入った後、自社アンケートに新たな2つの質問を追加しました。

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一つ目の質問は、ホテルが衛生基準を策定し、実施していることを明確に伝えた上で、安心して滞在いただけたかどうかをスコア形式でお客様に評価をいただくものです。そして平均で、10点満点中8点以上を維持することを目標にしています。

二つ目の質問は、お客様が滞在中に不安に感じた点と、その理由を具体的に書き込める欄を設け、課題を特定できるようにしています。この2点を経営指標に組み込み、会社としての取り組みがお客様にどう評価されているか、どのような課題があり、どのように改善ができるかをモニタリングしています。

OTAのクチコミだけでは、具体的な課題を見つけることが難しいというお話をいただくことも多いです。このように自社アンケートに柔軟に、その時代に合った質問を付け加えることが有効です。コロナ関連の質問だけでなく、会社としての取り組みについての評価の把握や、課題特定のためにお客様に直接聞いてみることで解決の近道を見つけることも可能となるでしょう。

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Akira Takatsu

Akira is a Marketing Manager at TrustYou K.K. who handles PR and Marketing activities in TrustYou Japan. Over the past decade, he has used his expertise to contribute to the travel & hospitality industry.

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